神経を残す治療
神経を失うと歯はどうなる?
歯根が折れやすくなる
歯の神経(歯髄)を失った歯のことを“失活歯”と言い、失活歯では様々な問題が生じる恐れがあります。
例えば失活歯になると、歯根破折が起こりやすく、生活歯(神経がある歯)に比べて寿命が短くなる傾向があります。
特に奥歯では失活歯は生活歯よりも7.4倍、歯を失うリスクが高まると言われています。
根管が感染しやすくなる
歯髄や血管が通る管のことを“根管”と言い、歯髄を失うと、この根管で感染が起こりやすくなります。
根管治療は歯科治療の中でも最も難しい治療の1つであり、成功率も低いというのが実情です。
根管は複雑に入り組んでおり、細菌の侵入を許すとすべてを除去することが不可能になる場合があります。
また、難症例では成功率が60%を下回る場合もあるため、感染根管にしないように、歯髄の保存を試みることが重要です。
歯髄保存治療を行っています
福岡市中央区のきどデンタルクリニックでは、できる限り歯の神経(歯髄)を保つために、“歯髄保存治療” を行っています
歯髄保存治療には大きく、“ステップワイズエキスカベーション”と“直接覆髄”という2つの方法があります。
ステップワイズエキスカベーション
ステップワイズエキスカベーションとは、意図的に虫歯を残した状態で、その上にMTAなどの薬剤を置き、約半年置くことで虫歯の再石灰化を促して抜髄を回避する方法です。
通常の治療では、虫歯になった部分を削り取ってから詰め物を入れるため、神経にかかる負担が大きく、神経を抜く必要が生じることがあります。
しかし、ステップワイズエキスカベーションでは、虫歯の部分を段階的に削り取りながら、神経を残すことが可能になります。
直接覆髄
直接覆髄とは、虫歯部分を削り歯髄を露出させた状態で、歯の神経が健康であれば、MTAなどの薬剤を直接詰めて蓋をする方法です
通常は、神経を取り除いた後に行う根管治療が一般的ですが、神経を取り除くことによる歯の弱化や治療後の痛みが心配な場合には、直接覆髄を行うことがあります。
直接覆髄は、神経を残したまま材料を詰め込むため、歯の強度が維持でき、治療後の痛みも少なくなるというメリットがあります。
MTAとは?
MTAは、歯科治療で使用されるミネラルトリオキシド集合体(Mineral Trioxide Aggregate)の略称です。
MTAは、歯髄治療のために根管充填材として使用されます。
MTAは、石灰、ケイ酸、およびアルミニウム酸塩から構成され、生物学的に相容性が高く、骨や歯の組織形成を促進する性質を持っています。
他院で「歯の神経を抜くしかない」と言われた方もご相談ください
マイクロスコープによる精密な歯髄保存治療
ステップワイズエキスカベーションと直接覆髄、いずれの方法を行う場合でも、「マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)が不可欠」というのが、当院の考えです。
きどデンタルクリニックではマイクロスコープを導入しており、それを活用して精密な歯髄保存治療を行っています。
2つの歯髄保存治療のうち、当院ではステップワイズエキスカベーションを中心に行い、歯の神経をできるだけ残すようにしています。
歯の神経を残すことで、歯を長く健康に保つことが可能になりますので、他院で「歯の神経を抜くしかない」と言われた方は、一度お気軽にご相談ください。